温か家族の記念写真、浅田政志さんの作品展 福井・あわらの美術館に189点

温か家族の記念写真、浅田政志さんの作品展 福井・あわらの美術館に189点

 家族写真を精力的に撮り続ける浅田政志(40)さん。福井県あわら市金津創作の森美術館で開催中の作品展「Family Photo Tree」(福井新聞社共催)には、自身の家族や一般の家族を中心にした189点が並ぶ。消防士、旅館の厨房など多彩な設定のコスプレ作品で鑑賞者の笑いを誘う写真は、家族が一体となり作り上げた大切な1枚だ。「記念日をつくるための記念写真」と作品を位置づける浅田さん。家族や家族写真の意義をあらためて見つめ直し「一生で数枚しかないような満ち足りた写真を撮ってほしい」と語る。

 家系図やルーツを意味する「Family Tree」。7章の展示構成のうち、5章を木の部位に例えた浅田さんは、手掛けた作品を「誰かにとってかけがえのない1枚」と語る。

 第1章「年賀状」は「根っこ」という。1歳から高校生まで続いた年賀状用の写真撮影。「半強制的」に父に連れられ地元・三重県津市の名所をバックに兄と2人で納まった経験は「家族写真にのめりこんでいる一因」。家族の思い出を再現した第2章「卒業制作」は樹液になり、幹となった代表作「浅田家」へと流れていく。

 「写真家・浅田政志のすべてはここから」という「浅田家」は、過去の再現に行き詰まりたどり着いた「未来」の家族の姿。「こんな仕事に就いていたら面白いよね、とアイデアを出し合った」結果、消防士やバンドマンなど多彩な仮装姿が生まれた。「家族で過ごす時間が特別になり、いい写真を目指す一体感もわいた」。この過程を経て、自分が手掛けるのは「記念日をつくる記念写真」だと気付いた。

 兄の結婚、子どもの誕生と家族が増え「NEW LIFE」という枝木が広がり、全国各地のファミリーフォトが葉となり茂る「みんな家族」へ。一般家族の思い出や気持ちまでも写し取った特別な1枚に仕上げ葉は増え続ける。今展では福井の家族2枚が加わった。

 家族写真を通じ笑いを誘いながら家族ならではの温かみや愛が伝わる独特の作風を確立した。「これからは遺影をもっと前向きに撮りたい。お気に入りの服に場所、思い出の品とか仕事を表す道具とか持って。家に飾っているとその人が語りかけてくるようなもの」。生活に根付いた写真は、常に意識の中にある。

 写真展「Family Photo Tree」は3月8日まで。月曜休館で午前10時~午後5時(最終入場は午後4時半)。観覧料は一般800円、65歳以上と障がい者は400円。介護者と高校生以下は無料。

 問い合わせなどは金津創作の森財団=電話0776(73)7800。

 ■あさだ・まさし 三重県津市出身。日本写真映像専門学校を卒業し、スタジオアシスタントを経て独立。2009年に作品集「浅田家」で木村伊兵衛賞を受賞。同作品などを原案に二宮和也さん、妻夫木聡さんらが出演した映画「浅田家!」が10月に公開される。 福井新聞社

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