絶景スポットへの遊歩道、イノシシでぼろぼろに 何度も補修も追い付かず

絶景スポットへの遊歩道、イノシシでぼろぼろに 何度も補修も追い付かず

 福井県越前町梨子ケ平の越前水仙の絶景スポット「梨子ケ平園地」は今シーズン、開花状況が良好で、週末に大勢の観光客が訪れている。園地は集落の奥にあり、歩いて行くしかないが、遊歩道はイノシシによる獣害などで路面が削られ、手すりが複数箇所で壊れている。県や町が何度も補修したものの、獣害や浸食はやまず「対策が追いつかない」という。観光客にとって危険な状態が放置されたままとなっている。

 梨子ケ平園地は越前海岸を背景に、約2ヘクタールの斜面に水仙が咲き誇る。今シーズンは積雪が少ないため花が倒れることもなく、訪れた観光客からも好評だ。

 遊歩道は約50年前に県が整備し、普段は町が管理している。集落の奥の小高い山を1周する形の全長約1キロで、途中にある園地に向かうには、切り立った崖の上に設けられたコースと、山を登っていくコースの二つがある。いずれも道幅1メートル弱で車は通れない。

 崖の上のコースの方が近道で、観光客らはこちらを選んでいる。だが獣害や風雨による浸食で、路面が削られている場所が少なくない。道幅の半分以上が削られた箇所もあり、人が1人通るのがやっとだ。木製の手すりも複数箇所で壊れ、岸壁からは落石の可能性もあり、安全性が確保された状態とは言いがたい。

 県や町によると、崖の上のコースは地盤が軟弱ということもあり、何度も崩れては補修を繰り返す「いたちごっこ」が続いているという。3年前に県が補修したときは、終了間際に獣害を受けた。区長は「何度も要望して、やっと実現した工事だったのに」と肩を落とす。

 崖の上のコースは住民が日常的に水仙の管理に使っていることもあり、入り口に立ち入らないよう促す案内表示はない。途中に「落石・崩壊注意」と書かれた県の看板があるのみだ。山登りのコースでも園地には行けるが、遠回りでもあり、敬遠されているのが実情だ。

 園地の景観は町観光連盟のパンフレット表紙にも採用されている名所だけに、職員は「本当はもっとPRしたい場所なのに、アピールしづらい」と複雑だ。 福井新聞社

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